徒歩で旅するための靴の選び方まとめ!

徒歩旅は靴の選び方が大事!

タフ旅人のみなさまこんにちは!(タフ旅ってなに?と言う方はこちら)

最も歴史が古い旅の移動手段“徒歩”。今でも四国お遍路や熊野古道などの巡礼路歩きや、東海道や中山道などの旧街道歩き、海外だとスペインのカミーノ・デ・サンティアゴなど、古今東西・洋邦問わず徒歩の旅は大人気です。

そんな徒歩旅で最も重要なのが靴!靴をどう選ぶかで歩ける距離も旅の難易度も変わって来ます。

と言う事で、今回は徒歩旅をするための靴の選び方をまとめました!

 

目次
  1. 徒歩旅は靴の選び方が大事!
  2. 徒歩旅に適した靴の種類
  3. 靴を選ぶ条件①歩く予定の路面
  4. 靴を選ぶ条件②運ぶ予定の荷物の重さ
  5. 靴を選ぶ条件③登山靴に対する慣れ
  6. 靴を選ぶ条件④気候
  7. 靴選びのポイント
  8. インソールの力はすごいぞ!
  9. 履き慣らしはどうすれば良い?
  10. 山も舗装路も快適に歩ける靴の例
  11. 徒歩旅の靴の選びまとめ

 

徒歩旅に適した靴の種類

徒歩旅は、その歩く内容によって適した靴の種類や形は様々です。が、基本的にどういう選択肢があるかからまず説明していきます。

 

ランニングシューズ・運動靴

まずはランニングシューズ。運動靴とも言います。

 

ランニングシューズの特徴
  • 値段:★★★(安い)
  • 軽さ:★★★(軽い)
  • 悪路:☆☆☆(不向き)
  • 防水:☆☆☆(悪い)
  • 快適:★★★(通気性・履き心地良し)
  • 荷物:☆☆☆(荷物が重いと向かない)

値段は安くて数千円からあり、重量も両足で300グラム前後なのが嬉しい所。半面、悪路に弱く防水性も低い欠点があります。

また、おそらく誰でも履いた事がある為、履いた時の違和感も少なく履き慣らしも容易です。

もしランニングシューズなら靴底厚めでクッション性が高いものを。

 

トレイルランニングシューズ

次に近年急速に勢力を伸ばしてきたトレイルランニングシューズ。その名の通りトレイルランニングと言う山を走る競技に使われる靴です。

 

トレイルランニングシューズの特徴
  • 値段:★★☆(やや安い)
  • 軽さ:★★☆(やや軽い)
  • 悪路:★★☆(強い)
  • 防水:★★☆(多少はある)
  • 快適:★★☆(通気性・履き心地良し)
  • 荷物:★☆☆(荷物が重いと向かない)

“山を走る”と言う、過去には無かった概念で作られている靴なので、登山靴とランニングシューズの良いトコ取りをして作られています。

値段は8千円~1万5千円程度の価格帯。ランニングシューズほどでは無いですが、登山靴に比べると圧倒的に軽く、軽いものでは両足500グラム程度からあります。

また、登山靴ほどでは無いですが悪路に強く、特にグリップ性にかけては登山靴同等かそれ以上のモデルもあります。ただしソール(靴底)は薄めなので、尖った岩が多い所だと少し不安です。

ボクが愛用していたのはLa Sportiva(ラ・スポルティバ)のMutant(ミュータント)です。適度に軽くて履き心地がよく、グリップ力もばっちり。

 

登山靴・トレッキングシューズ

歴史が長く、最もいろいろなタイプがあり選択肢が広いのが登山靴やトレッキングシューズです。

 

登山靴・トレッキングシューズの特徴
  • 値段:★☆☆(高い)
  • 軽さ:★☆☆(重い)
  • 悪路:★★★(強い)
  • 防水:★★★(強い)
  • 快適:★☆☆(履き慣れる必要がある)
  • 荷物:★★★(荷物が重くても歩きやすい)

近年安めの登山靴も出て来ていますが、それでも未だに値段は高め。ちゃんとした物を買おうと思ったら1万5千円~3万円程度です。また軽いものでも両足1,000グラム前後もあります。

一方、重量と値段の分、悪路に強く防水性も高い物がほとんど。靴底が厚く全体のサポートもばっちりなので、重い荷物を持っても足が疲れにくいです。

ただし、選び方を間違えたり、履き慣れていないと登山靴で歩くのは苦痛でしかありません。慎重に選び、購入後は時間をかけてじっくり履き慣らす必要があります。

軽登山靴やトレッキングシューズだとこの辺。

 

重めの登山靴だとこんな感じ。

 

登山靴の形

後で言葉が出て来るので、登山靴の形の説明をば。登山靴は、足首部分の長さによって大きく3種類の呼び名があります。

  • ローカット・・・くるぶし部分を隠さない、運動靴のような形の登山靴。トレッキングシューズ、ハイキングシューズなどと呼ばれるのはこの形の物が多い。
  • ミドル(ミッド)カット・・・くるぶし部分が隠れる程度の登山靴。トレッキングシューズから軽登山靴まで様々。
  • ハイカット・・・くるぶしより更に上まで隠れる程度の登山靴。本格的な山向けの登山靴がメイン。

どれがどう適しているか等は後述します。

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靴を選ぶ条件①歩く予定の路面

路面の状態を大きく3種類に分けてみよう

靴を選ぶ条件で最も重要になるのは、どんな路面を歩くか?です。路面のタイプを大きく3種類に分けて、自分がどういった路面を歩く予定かを分析しましょう。

①舗装路

言わずもがなのアスファルトやコンクリート、タイルや石畳などで人為的に舗装された道路の事すべてを指します。

 

②林道

これは少し定義が難しいのですが、砂利などで舗装されている道や、人為的に舗装はされていないものの人が通る事によって踏みならされているなど、ある程度意図的に整備されている道の事。ハイキングコースや初心者向けの登山道は大半がこれに該当。

 

③ガレ場

ガレ場は、舗装もされていなければ踏みならされてもいない、大小さまざまな岩がそのままゴロゴロと転がっているような状態の道の事。

 

注目すべきはガレ場と舗装路

上記3種類の路面の中で、最も歩きやすいのは林道です。

舗装路は歩きやすそうに見えますが、実は路面が固すぎて長時間歩くと疲れるのです。ガレ場はまぁ歩きにくいのは予想できますね。

なので、もし自分が歩く予定の道が、

  • 舗装路が多い場合ランニングシューズ、トレランシューズ、ローカット・ミッドカット程度のハイキングシューズ~軽登山靴が適している。本格的な登山靴は不適
  • ガレ場が多い場合トレランシューズ(底が厚めの物)、ハイキングシューズ~本格的な登山靴が適している。ランニングシューズは不適

です。ガレ場では尖った岩や不安定な岩の上を歩かないといけないため、ソールが薄くて柔らかいランニングシューズではケガをします。一方、舗装路では固くて重い登山靴はただただツラいだけになります。

林道はどんな靴でも基本的に大丈夫。なお日本の旧街道やお遍路路などの巡礼路は、ほとんどが舗装路&林道です。よっぽど高難易度な山岳地帯メインのルート(日本アルプス縦断とか)でも通らない限り、ガレ場が多いって事はほとんど無いです。

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靴を選ぶ条件②運ぶ予定の荷物の重さ

重ければ重いほど足(Foot)にかかる負荷が大きい

なんで登山靴のアッパー(足を覆う上側の部分)があんなに厚くて丈夫かと言うと、まぁ防水性や耐久性を高める為もあるんですが、足(Footにあたる、足首より下の部分)のサポートをする為でもあります。

普段そんなに意識する事は無いFootですが、重い荷物を持って長時間歩くと、この普段意識しない部分がめちゃくちゃ疲れます

 

重さと靴の目安

荷物の重量が体重の1/10以下

荷物の重量が体重の1/10以下(例:体重60kgの人なら6kg)なら、もうどんな靴でも良いです。荷物と靴はあんまり関係ありません。

 

荷物の重量が体重の1/10~1/5程度

荷物の重量が体重の1/10~1/5程度(例:体重60kgの人なら6~12kg)なら、できれば運動靴はやめた方が良いですが、長時間(6時間以上)歩くんでなければまぁ何でも良いかなと言う感じ。

 

荷物の重量が体重の1/5以上

荷物の重量が体重の1/5以上(例:体重60kgの人なら12kg以上)になると、靴の効果がてきめんに出て来ます

ローカット~ミッドカットのトレッキングシューズ以上だと、圧倒的に足が楽になります。少し柔らかめのトレッキングシューズでも全然効果あります。

トレッキングシューズを選ぶか、それ以上のしっかりした登山靴を選ぶかは、履く人の慣れ度合いと歩く予定の路面によります。

ボクは一度、固めの軽登山靴&15kg程度の荷物&大半舗装路で試した事がありますが、靴が固くて逆に疲れました。結局、アッパーが柔らかめのトレッキングシューズがちょうど良かったです。


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靴を選ぶ条件③登山靴に対する慣れ

これはあんまり説明する事無いんですが、慣れない登山靴は履き心地最悪ですよと言うお話。

もともと履き慣れている人は良いかもしれませんが、運動靴程度しか履いた事無い人がいきなり固い登山靴を履くと、違和感と靴擦れに悩まされる事になります。また、足首周りが固いせいで歩き方も変わるので、普段以上に疲れやすくなりますし、靴擦れもしやすくなります。

登山靴に慣れていない場合でも、使用予定の条件を考慮してどうしても固い登山靴が必要な場合は仕方ありませんが、そうでなければ「アッパーが柔らかめの靴」を選ぶと良いでしょう。アッパーの固さの基準が分からない場合は、店員さんに訊いてみても良いでしょう。

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靴を選ぶ条件④気候

 

足濡れは一番の敵

普段の通勤通学程度なら、「足が濡れたら気持ち悪くて嫌だなぁ」と言うレベルですが、長時間歩く場合、足濡れはその後歩けなくなるおそれがあり絶対に避けるべき事態です。

 

足濡れによって引き起こされる事態

足が濡れると、まず足の皮が白くふやけて弱くなります

皮がふやけて弱くなると、足の裏全面の皮が浮いてきます

この状態で歩き続けると、足の裏全面が水膨れやマメになったり、果ては皮がはがれ始めたりします。本当に恐ろしいですね。

↓実際に自分が雨の中強行軍して歩いた時の足。グロくてすみません。

 

天候が悪くなる可能性があるなら丈夫な靴を

運動靴の防水性は限りなくゼロ

基本的に、運動靴に防水性は期待しちゃダメです。ちょっとでも天候が崩れる可能性がある、もしくはぬかるんだ道を歩く可能性があるなら、運動靴は絶対にやめるべきです。

 

トレランシューズの防水性も信用しちゃダメ

トレランシューズは多少防水性はありますが、それでも本降りの雨が降ると無力です。

多少のぬかるみや小雨なら耐えられますが、基本的に雨が降らない場合の使用に限定した方が無難です。

 

トレッキングシューズは浸水しない限りは大丈夫

トレッキングシューズなら、靴底より高い位置まで浸水しない限りは大丈夫です。と言っても使い古した靴だと防水性は落ちてしまいますが。

 

ゴアテックスの登山靴はだいぶ強い

天候に最も強いのは、やっぱりゴアテックス生地の登山靴です。たいがい浸水しても中までは染みてきません。

と言ってもまぁ、そんなに天候が悪い時は歩かない方が良いと思いますけど。

 

想定外の雨への応急処置

もし雨に弱い靴で出かけてしまい、途中で雨が降り出し、それでもなお歩かないといけない場合、靴の表面にワセリンを塗ると一時的に防水性が上がります

まぁかなりベッタベタになるのでオススメはできませんが、トレランシューズでも1日くらい雨の中を歩けるようになります

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靴選びのポイント

靴は必ず店で試し履き

ネット通販が便利な世の中ですが、徒歩旅用の靴に関しては必ず店で試し履きしましょう。

 

フィット感第一

とにかくいろんな靴を履いてみましょう

最初は合う合わないがいまいちわからないかもしれませんが、たくさん履いているうちに「コレだ!」って感覚が分かるようになって来ます。

 

店に靴下を持参しよう

試し履きに行く時は、徒歩旅中にメインで使う予定の靴下を持参しましょう。靴下の厚さ次第で履き心地がかなり変わります。

 

心持ち大きめくらいで良い

徒歩旅で6時間以上歩くような事になるとかなり足がむくむので、普段履く靴より心持ち大きいのを選ぶくらいが良いです。よく「つま先を合わせてかかと部分に指1本入るくらい」と言いますが、徒歩旅用の靴は「つま先を合わせてかかと部分に指2本は入らないけど指1本は余裕で入るくらい」でちょうど良いです。

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インソールの力はすごいぞ!

靴を買う時、もし余裕があれば、と言うかよっぽど予算に余裕が無い場合を除き、靴と一緒にインソールを買う事をオススメします

重い荷物を持って長時間歩く場合、足底のサポートがあるか無いかは全然違います。

また、インソールを変えると靴の履き心地も変わるので、靴を買う前にインソールを決め、インソールと一緒に靴の試し履きをすると良いです。アウトドアショップであれば、店員さんに頼むと良いです。店によっては試し履き用インソールも用意されています。

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履き慣らしはどうすれば良い?

歩く予定のコースとできるだけ同じ条件がベスト

歩く予定のコースが舗装路多めなら、履き慣らしも舗装路、アップダウンが激しいなら、履き慣らしもアップダウンが激しい場所がベストです。

 

精神論で富士山とか選ばないように

カミーノと言うスペインの巡礼路を歩いた時、「試し履きで富士山登っても大丈夫だったので、靴は合ってるはず」と言っている巡礼者を見かけたのですが、試し履きとしてはものの見事に間違いです。ちなみにその人は踵の後ろと言う、普通ならマメができないはずの所にでっかいマメをこさえていました。

カミーノは低山の比較的緩やかなアップダウンや舗装路が多いため、ガレ場や砂場、急登が多い富士山とは正反対

「富士山に登ったから大丈夫!」と言いたくなる精神論は分かるのですが、試し履きはもっと冷静にやりましょう。カミーノであれば近所を半日歩き回るのを何日か続けるとかの方が、よっぽど効果あります。

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山も舗装路も快適に歩ける靴の例

ボクが中山道や熊野古道歩きで実際履いていた靴がこちら。

登山靴よりアッパーもソールも少し柔らかめの靴。この前に軽登山靴を履いて固すぎて痛い目を見たので、柔らかめの物を選びました。

これだとガレ場などがあるとツラいかもしれませんが、普通の登山道なら十分歩けますし、舗装路も運動靴感覚で歩く事ができました。運動靴しか履いた事が無くても非常になじみやすい靴です。

 

MEINDL エアレボリューション

ボクがスペインのカミーノ・デ・サンティアゴで実際履いていた靴がこちら。

こちらも足首周りが柔らかめで、歩きづらさは感じません。けっこうな値段しますがオススメの靴です。

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徒歩旅の靴の選びまとめ

まぁいろいろ書きましたが、結局履いて歩いてみないとわかりません。ボクもちょうど良い靴に出会う前はかなり試行錯誤しました。

と言う事で、徒歩旅の為の靴の選び方まとめでした!

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