知多四国八十八ヶ所を徹底解説!6泊7日で野宿&歩き遍路した

“知多四国八十八か所霊場”とは!

“四国八十八か所霊場”は、日本人の大多数の人が一度は聞いたことがあると思います。四国中に散らばっている88ヶ所のお寺を巡拝すると超ご利益があると言う、弘法大師が開いてから1200年も受け継がれている巡礼路です。

では、“知多四国八十八か所霊場”はご存知ですか?

実は愛知県の知多半島にも、約200年前に開創された巡礼路があるのです。ちなみに弘法大師も知多半島の地を踏んだことがあり、「西浦、東浦、日間賀島、篠島で”四国”だなぁ」(意訳)と言ったそうで、それにちなんで“知多四国霊場”と呼ばれています。

詳しい歴史なんかは知多四国霊場の公式HPに掲載されているので、未読の方はこちらも併せてご覧になると良いかと思います。

この記事ではですね、2020年12月30日~2021年1月5日にかけて、実際にこの知多八十八か所霊場を野宿しながら歩き遍路した際に得た情報をまとめています。ぼくは四国(呼び分けのため、以下”本四国”)の歩き遍路もやったので、知多四国と本四国の比較も挟んでいきます。

 

目次
  1. 知多四国八十八か所霊場とは!
  2. 知多四国の歩き遍路事情
  3. 知多四国を歩き遍路してみた(6泊7日)
  4. 知多四国と本四国の歩き遍路比較
  5. 知多四国歩き遍路まとめ

 

知多四国の歩き遍路事情

情報が少ない。特に野宿情報

まず知多四国の歩き遍路はですね、情報が少ないんですよ。特に「通し&野宿の歩き遍路」となるとほとんど情報がありません。本四国の方は”野宿可能な場所リスト”まであるんですけどね。

まぁ本四国に比べると、圧倒的に知名度が低く遍路人数が少ないと言うのは理由としてあるのですが、野宿情報が無い理由としては「名古屋から近過ぎる」と言うのが一番の理由でしょう。知多半島の先端である師崎港からですら、バスと電車を乗り継いで僅か1時間ちょっとで名古屋に戻れてしまいます。

名古屋には安いゲストハウスがあるので、名古屋に1週間宿を取り、重い荷物は全て宿に置いて、毎日電車で往復すれば、経済的にしかも楽に歩き遍路が出来ると言うわけです。いやまぁ往復の電車賃はけっこうかさむと思いますけど。

そんなわけで、わざわざ野宿で歩き遍路をする人は知多には滅多にいないわけです。

 

遍路道が定まっていない

本四国に比べて歴史が浅いせいか、20世紀に入ってからの都市化が激しかったせいか、知多四国には遍路道が定まっていません

そのため、本四国では「もしかして一切地図が無くても歩けるのでは?」と思うほど道標があちこちに貼られていますが、知多四国には道標はほぼありません。お寺周辺にごく稀に矢印が貼られているくらいです。

よって、知多四国では常に何かしら地図を見ながら・ルートを考えながら歩く必要があります。

一応、歩き遍路マップ(紙の本では唯一)や、

 

前述の知多四国公式HPの徒歩マップがあるのですが、いずれもあくまで「参考」「目安」と強調されており、「自分の巡礼路を探して下さい」と書かれています。

なおぼくは両方のマップを使ってみましたが、紙のマップはいわゆる”イラストマップ”で距離や方角が掴みづらく、公式HPのマップは何よりも”安全第一”なルートが設定されており、謎の回り道を頻繁にします(おそらく”歩道が無い車道”を極力歩かせないようにしている)。

ぼくは最終的に「紙のマップ」「Googleマップの経路検索」を見比べながら進むことにしました。林の中の未舗装路や、お寺に至る階段なんかはGoogleマップでは出て来ないため、単体では使いづらくとも紙のマップは必要でした。

「自分で道を考えて歩かなければいけない」のは、知多四国遍路の大きな特徴とも言えます。

 

遍路宿や接待所は無い

そもそもの歩き遍路の数が少ないこと、遍路道が定まっていないことから予想は付くと思いますが、遍路宿や接待所は一切見かけませんでした

とは言え知多半島は観光の名所が多いので、一般的な旅館や民宿、ビジネスホテルは多いです。

遍路宿のようにお手頃価格で泊まれたりはしませんが、予算に余裕があれば毎日しっかり宿泊しながら歩くことは可能です。

 

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知多四国を歩き遍路してみた(6泊7日)

知多四国歩き遍路の準備と装備

基本的には、本四国の歩き遍路と同じような準備と装備になります。

遍路笠金剛杖。ぼくは持っていませんが白装束を着る人もいます。

 

歩き遍路マップ納札(おさめふだ)。納札は事前に購入し、住所氏名などを記入しておきました。

ここで納札に関して注意!ぼくは完全に本四国の感覚で納札200枚を購入したのですが、知多四国では納札は100枚で足ります。なぜなら知多四国の霊場には、納札を入れる箱はたいてい1つのお寺に1つしか置かれていないからです。

中には納札を入れる場所が無いお寺や、大師堂の中に箱があるのに大師堂のカギが閉まっているパターンもありました。また、沿道の方からお接待を受ける事もほぼありません(し、万が一何かもらって納札を返しても、意図が伝わらないと思います)。

ローソクと線香も、たいてい1つのお寺で1ヶ所しか上げる場所が無いので、本四国より少なくて済みます。

しかし知多四国では、番外札所が通り道にあることが多く、つい寄ってしまいがちなので、ギリギリ88ヶ所分では足りなくなると思います。ローソクと線香は100セットあれば良いでしょう。

あとは納経帳

もともと文字が書かれており、納経所では御朱印だけおしてもらいます。なお御朱印は1ヶ所100円です。

無地の納経帳を自分で用意して持参すれば、本四国と同じく300円で文字を書いた上に御朱印をおしてもらう事も出来るようですが、知多四国の場合、納経所にも寺にも人がおらず「自分で御朱印をおしてくれ」パターンが10ヶ寺じゃきかないくらいあったので、おそらく無地の納経帳では88ヶ所揃えるのは不可能かと思います。

ちなみにぼくは、人を探し回ったけど境内にマジで誰もいなくて御朱印を貰えなかったところが1ヶ寺ありますし、それとは別であきらめて出て行こうとしたらギリギリで住職さんが買い物から帰って来たところも1ヶ寺あります。

準備の話で長くなりましたが、次からが実際に歩いた記録です。

 

1日目、12ヶ寺(札所番号:1〜4、6〜12、54)

知多四国遍路は、普通に回ると番号順にならない事が多いです。初日は5番を飛ばし、12番の後に54番が入ってくる唐突さです。

1日目に歩いたルートはこちら。札所間距離は24.52km

地図に入っていませんけど、実際は1番札所「曹源寺」の最寄りの「前後駅」からスタートしています。

この日は朝から雨で、序盤の写真がほとんどありません

 

納経帳を購入&御朱印もらい。納経帳自体は1500円くらいだったような気がしますが、正確な値段は忘れました。

 

1日目はひたすら住宅地を歩いた感じです。たぶん7日間の中で、景色が一番単調な区間でした。

 

昼を過ぎると晴れてきました。

 

夕方、54番に着いたのが16時45分と納経所が閉まるギリギリの時間だったため、54番近くにある番外札所の東光寺はあきらめました

知多四国遍路は、納経帳に番外札所のページがあるため、番外札所もキッチリまわる人も多いですが、ぼくは番外は「通りすがりにあれば参拝する」ことにしました。と言っても、番外10ヶ所のうち結局8ヶ所は参拝しましたけど。

この日は54番さんの道路の向かいにある亀崎海浜緑地で野宿。

夜や早朝も散歩や運動で通行者が絶えないので、邪魔にならないようにしましょう。ぼくは北東側のトイレに近い場所にテントを張りました。トイレは割と綺麗で快適でしたが、照明はつきませんでした。キャンプファイアとかは禁止だそうです。

公にキャンプをする場所ではないので、野宿する場合はマナーを守り自己責任でお願いします。野宿のマナーは別の記事をご覧ください。

⇒【関連記事】野宿をする人すべてに徹底してほしい!野宿のマナー

 

2日目、12ヶ寺(札所番号:13〜24)

2日目に歩いたルートはこちら。札所間距離は24.00km

 

この日は雪が降ったり晴れたり強風が吹いたりと変な天気でした。

 

16番と18番の間、阿久比川沿いは歩道が無く、車の通行量も多いので、気疲れします。少し遠回りしても他の道を探した方が良いかもしれません。

後半、武豊町に入って来ると町並みがレトロになり、工場や火力発電所が並ぶ独特の景観が見られます。

 

この日は、年末年始休業中だった「まちの駅 味の蔵たけとよ」の裏手で野宿。休業中でもトイレは開いていました。

もちろん野宿を推奨する場所ではありませんし、営業中だとまた事情が違うと思います。

 

3日目、15ヶ寺(札所番号:25〜36、番外3つ)

3日目に歩いたルートはこちら。札所間距離は26.59km

 

この日は一番景色の変化が大きく、ぼくはとても好きでした。海沿いは本四国の足摺岬への道を思い出すような景色が見られますし、

 

番外札所の時志観音は海岸沿いの高い場所にあり、眺めが良いです。

 

内陸に入ると「日本版カミーノ」と呼びたくなるような、丘陵地帯の畑を通る道を歩きます。

 

知多半島の先端、師崎に近づくにつれどんどん「漁師の町」になって行きますし、

 

少し寄り道すると、海の中に立つ「上陸大師像」が見られます。

景色の変化が多い、楽しい一日でした。が、天候は風が大荒れで歩くのはなかなか骨でした。

この日は師崎フェリーターミナルの敷地内、本来は屋台エリアの軒下で野宿。

ぼくが行った時は屋台は1軒も出ていませんでした。年末年始だからか、冬だからか、はたまたコロナだからかなのかは分かりません。くどいようですが野宿を推奨するものではありません

フェリーターミナルの駐車場にあるトイレは狭くて古いですが、船着き場の方にまわると比較的新しい身障者用のトイレがあります。

 

4日目、10ヶ寺(札所番号:37〜43、番外3つ)

4日目に歩いたルートはこちら。札所間距離は16.85km

 

この日は観光気分でした。と言うのも、篠島・日間賀島へ渡るフェリーの時間の都合上、「めちゃくちゃ急いでまわる」or「超余裕を持ってまわる」の二択で、ぼくは後者を選んだからです。

これが、2021年1月時点のお遍路向けダイヤ。二島周遊チケットは1500円です。

「めちゃくちゃ急いでまわる」と、朝7時発のフェリーに乗り、篠島をめちゃがんばって55分日間賀島を25分で参拝し終えると、8時50分に師崎に帰って来られます。

ただし、篠島は3ヶ寺まわると2.5km歩く事になり、しかも道がわかりづらくアップダウンも激しいため、かなり頑張らないと55分でまわるのはキツイものがあります。

かと言って、ぼくは篠島も日間賀島も過去に観光しに来たことがあるので、篠島10時5分発のフェリーを待つのは時間が余り過ぎてツラい。と言うことで、ぼくは遍路用ダイヤには載っていない9時10分発の篠島→日間賀島”西”港の便に乗りました。日間賀島”西”港行も含めた篠島の時刻表はこちら。

 

日間賀島の西港と東港の間は徒歩です(約1.5km)。時間に余裕があるのでたこ饅頭を食べたり、海を見ながらのんびり歩いたりして、37番札所へ。

日間賀島の観光の中心は西側および北東側なので、東港から入って東港から出ていくと、何も無い地味な日間賀島しか印象に残らないんじゃないかな…。

日間賀島で時間に余裕があったので、たこキーホルダーを衝動買いして、乗船待合室で箱根駅伝を見ました。

日間賀島はタコが有名なんですよ。旅館に泊まると晩御飯はゆでだこが丸々一匹出てきますよ。

日間賀島東港10時35分発のフェリーに乗り、10時50分に師崎に戻りました

 

朝から観光気分で完全にだらけていたし、お遍路を始めてからここまで一度も風呂に入っていなかったので、番外札所(浄土寺)を通り過ぎて少し歩いたところにある、「うめ乃湯」に立ち寄りました。

ぼちぼち広くて綺麗だし、年始でやや混んでいました(感染対策のため一定人数以上は入場制限していた)が、日帰り入浴600円と良心的な価格でした。

 

この日の見どころは、43番岩屋寺の奥の院

岩屋寺から僅か300メートルほどなのに、なんだかすごく山奥に来てしまったかのような雰囲気のある場所です。

ちなみに岩屋寺は知多四国霊場の総本山。本四国で言う所の善通寺にあたります。なので知多四国の中ではかなり大きめのお寺。

岩屋寺到着時点で16時30分を過ぎており、奥の院までまわると17時近かったので、岩屋寺のお寺の方にお願いして駐車場にテントを張らさせてもらいました。ちょっと驚いておられたのでイレギュラーな事なんだと思います。承諾して下さりありがとうございました。

 

5日目、19ヶ寺(札所番号:44〜53、55〜62、番外1つ)

54番は1日目のルートに入っているので、ここでは番号が飛びます。

5日目に歩いたルートはこちら。札所間距離は32.58km

 

43番岩屋寺→44番大宝寺は山の中を通ります。

知多四国遍路は海沿いか街中を通る事が多いので、久しぶりの山は嬉しくなります。

まぁ山の区間はそこだけで、すぐに海沿いの街中コースになります。

 

51番の野間大坊は大きなお寺で、この日(1月3日)は初詣客でごった返していました

 

野間大坊と同じ敷地内に、50番大御堂寺がありますが、こちらは参拝の行列が山門近くまで伸びていたので、ぼくは建物外の脇から参拝しました。

50番、51番ともに、御朱印は野間大坊の客殿でもらえました。

野間大坊とその周辺だけゴチャゴチャしていましたが、それ以外はお寺も道中も人が少なくて静かです。

また、この日は知多四国では最長の札所間距離の57番報恩寺~番外大谷曹源寺(7.3km)がありましたが、普通に淡々と歩きました。最長とは言え、1時間半歩けば着きますからね!

この日は62番洞雲寺で17時を迎えましたが、洞雲寺駐車場でのテント泊はお断りされてしまったので、近くの西御堂公園で野宿。この公園にトイレは無いので、洞雲寺駐車場にあるトイレを使いに往復しました。住宅地の中の公園なので本来はあまり選びたくない場所ですが、他に無かったので仕方ないです。

 

6日目、20ヶ寺(札所番号:63〜81、番外1つ)

6日目に歩いたルートはこちら。札所間距離は27.29km

 

朝から常滑市街地を歩きます。焼き物で有名なレトロな街が魅力。

ぼくは観光しに来たことがあるので素通りですが、遠方の方はぜひ観光で1,2日滞在してほしい街です。

常滑以降はほとんど市街地で、国道沿いもずいぶん賑やかになります。

 

知多四国の札所は小さいお寺が多いのですが、常滑以降は全体的にやや大きめな気がします(気のせいかも)。

 

この日は81番龍蔵寺で終了。

本四国の札所にもわらじ(健脚祈願)がよく奉納されていますが、知多四国でも良く見かけます。

龍蔵寺のすぐ裏手にある、知多運動公園の緑広場で野宿。

トイレが超綺麗ですが、本来野宿する場所じゃないのでくれぐれも(略

 

7日目、8ヶ寺(札所番号:82〜88、5)

最終日。7日目に歩いたルートはこちら。札所間距離は19.71km

紙の歩き遍路マップでは、83→84→86→85の順でルートが組んであるのですが、距離的には83→86→85→84か、83→84→85→86でまわった方が良いです多分。

あと、初日に飛ばした5番が入ってきます。

5番さんの納経所で「なんで5番は4や6から離れた場所にあるんですか?」と尋ねてみたところ、「大府市で1~6番だからですよ」と教えて下さいました。な、なるほど。市のくくりと言う視点がありませんでした。

最後もちょっと変則的で、88番→87番で終了となります。なお87番はもう名古屋市で、東海道新幹線の沿線にあります。新幹線の高架下をくぐる遍路道は、知多四国遍路ならではでしょう。

 

ラストの87番長寿寺は、大きいけれどピッカピカに新しくて、個人的にはいまいち気分が盛り上がりませんでした。

納経所の方は殊更にそっけなく、本当にあっさり終了しました。

なお、最後の87番から大高駅は徒歩5分もかからないくらい。大高駅から名古屋へは電車で15分程度です。結願後の移動が超楽ちんなのはありがたいですね。これが本四国の88番大窪寺だと、まず山から出ることを考えないといけませんからね。

 

トータル

ぼくは番外2つを飛ばし、まわったお寺は全部で96ヶ寺。歩いた距離は札所間のみで171.54kmでした。※野宿場所探しでけっこう歩き回ったりしているので、実際はもっと歩いています。

88ヶ所+番外10ヶ所の配置はこんな感じです。


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知多四国と本四国の歩き遍路比較

本四国と知多四国の両方で歩き遍路をしてみて、いろいろ気付いた点を挙げていきます。上の6泊7日の日記ともかぶる部分がありますがご容赦ください。

 

お寺の構成

まず本四国の88ヶ所のお寺は、本堂と大師堂があるのは共通。あとお寺によって薬師堂とか〇〇堂とか塔があるような構成なので、とりあえずどこのお寺でも本堂と大師堂を参拝すればOK

これに対し知多四国では、お寺によって構成がバラバラ。そもそも過半数が真言宗ではなく、元々違う宗派のお寺に弘法様をねじ込んだような経緯のお寺が多いのです。なぜそんな経緯になったのかは、知多四国公式HPの『知多四国はじめて物語』と言うタイトルで紹介マンガが掲載されています。

なので、知多四国のお寺の構成はおよそ以下のようなパターンに分かれています。

  • 本堂(本来のご本尊)+お遍路用本堂?(ご本尊?)+大師堂(弘法大師)
  • 本堂(本来のご本尊)+大師堂(お遍路用ご本尊?+弘法大師)
  • 本堂(本来のご本尊)+大師堂(弘法大師)
  • 本堂(本来のご本尊+弘法大師)
  • 本堂?(弘法大師+他いろいろ)

どないせぇっちゅうねん。更に、納札入れは大師堂もしくは弘法大師の前に1つだけ。ローソク台や線香立てに至ってはあったり無かったり、本堂と大師堂両方にあったり、大師堂の前にだけあったり、本堂と大師堂の中間くらいにあったり、ローソクか線香だけ共通だったりと、もう無茶苦茶です

一応、知多遍路の公式HPには「本堂→大師堂の順で参拝しましょう」とあるのですが、宗派が違うのに本堂でお遍路用(真言宗)の読経をするのは違う気がするし、かと言って素通りするわけにもいかないし、1つの大師堂にご本尊?と弘法大師がいらっしゃると2回読経するのも何か変な感じがします。あと探し回っても弘法大師のみの大師堂しか無いお寺もあります(大師堂と共通??)。

いろいろ悩んだ結果ぼくは、本堂がある場合はまず本堂にご挨拶、本堂と別でお遍路向けのご本尊らしきお堂がある場合は参拝大師堂参拝、大師堂に両方いらっしゃる場合は1回の読経…と言うような自己流で参拝しました。これだけお寺によってバラバラだと毎回悩むのも面倒ですし、失礼でない程度に自分ルールを定めるしかないと思います。

 

1日で参拝するお寺の数

ぼくは本四国の88ヶ寺を40日知多四国の96ヶ寺を7日でまわりました。

つまり、本四国では平均2.2ヶ寺/日知多四国は13.7ヶ寺/日だったことになります。1日で参拝するお寺の数が6倍以上あるわけです。

これがどういうことかと言うとつまり、歩ける時間が少ない。参拝にどれだけ時間をかけるかにもよりますが、ぼくの場合知多四国は参拝+御朱印10分次の札所までの道確認5分で、合計すると1ヶ寺におよそ15分かけていましたので、1日に13~14寺をまわると参拝だけでトータル3.5時間かかるわけです。

納経所の営業時間は7時~17時の10時間なので、実質歩ける時間は6.5時間。トイレ休憩や食事休憩をのんびり取ろうと思うと1日5時間くらいしか歩けません

1日5時間じゃ、時速5kmで歩き続けても25kmくらいしか歩けない、と言うことになります。日数の予定を立てる際はその辺よくよく考えて計画するようにしましょう。ぼくは前半舐めすぎていて後半急ぐ羽目になりました。

 

札所間の距離

単純に割り算すると、知多四国88ヶ所の札所間の平均距離は、170÷87=1.95kmになります。番外も含めると平均はもっと短いです。なお最長の札所間距離は、57番報恩時~番外大谷曹源寺の7.3km

札所間の距離が短い事は、そりゃ事前に分かってはいましたが、実際に歩いてみると「歩き遍路」と言う行為において、大きなメリットとデメリットがあることを感じました。

メリットはやはり「テンポが良いこと」。札所間距離は1.5~3kmが多いので、歩くとおよそ20~40分。地図を確認しながら程よく歩いて、飽きや疲れを感じる前にお寺に到着。15分ほどお寺に滞在して、また20~40分の歩行。と言う感じで、非常にテンポが良い。楽しくお散歩と参拝を繰り返しているうちにあっと言う間に夕方、と言うイメージです。

 

一方デメリットは、表現が難しいのですが、「歩き遍路の意味的にそれってどうなの」と言う点。

本四国だと札所間距離の平均は14km。最長の区間で80km以上だし、ひたすら一本道の国道を70km以上歩く区間もあります。これはツライには違いないのですが、この「考え、自己と向き合う膨大な時間」にこそ歩き遍路の意義がある、と主張するお遍路さんもいるくらい、「ただ延々と歩く行為」は歩き遍路において重要な意味を持つのです。

知多四国の場合、先ほども述べたようにテンポが良く、地図の確認が多い(=目の前のことを考えている時間が長い)ため、内省に没頭する時間なんて7日間のうち一切ありませんでした。これがデメリット「歩き遍路の意味的にそれってどうなの」の意味です。

よって、本四国と知多四国では、歩き遍路で得られるものが全く違うと思いました。

 

お寺の大きさ

知多四国のお寺は、ほとんどが小さいお寺です。感覚的に、”本四国八十八ヶ所の中で一番小さいお寺”が知多四国八十八ヶ所の平均くらいのサイズです。

本四国では、「山門からがむしろ本番」と言いたくなるような広大、あるいは階段がキツいお寺が少なくありませんでしたが、知多四国ではその心配はありません。階段を上るお寺もありますが、常識の範囲内です。

一方で、お寺の維持・継承に難がありそうなお寺も多く、納経所が違うお寺にまとめられていたりお寺の人が外出して誰もいなかったり御朱印がセルフ方式だったりしました。

また、納経所に人が常駐している事はまず無いので、たいてい呼鈴などを押して来てもらわなければなりません。今後の維持継承がちょっと心配になりました。

 

お寺の宗派や什器・設備

本四国の八十八ヶ所は9割が真言宗ですが、知多四国で最も多いのは曹洞宗(35ヶ寺)。真言宗系は30ヶ寺。あとは浄土宗、天台宗、臨済宗、時宗など。本四国と比べるとたいてい本堂の前がシンプルで賽銭箱くらいしか無く、最初は面食らいます。

あとちょっと困ったのが、知多四国は椅子やベンチが少ない。本四国の札所はどこでも至る所に椅子やベンチが置かれているのに、知多四国は下手すると座れるものが1つも置かれていないお寺すらあります。仕方ないので、地面にザックを置くなどしていました

無いと言えば、山門に仁王像がいないお寺がほとんどで、少し寂しかったです。仁王像がいるお寺はいくつかはありましたが、片手で数えられるかどうかくらいの数でした。

 

知多四国のお寺で良かった点は、本堂・大師堂ともに戸を開けられたり堂内に上がれたりするお寺が多いこと。開けられない場合も、お堂自体が小さめなのでご本尊や大師像を間近に拝むことができます。

 

納経所の営業時間

本四国は納経所の営業時間は通年で7~17時(冬季は一部の山寺で15~30分の短縮あり)ですが、知多四国の納経所は3~9月は6~18時、10~2月は7~17時です。

・・・なのですが、2022年からは通年7~17時に変更になるそうです。

そりゃまぁ・・・6~18時ってお寺の負担が大き過ぎですよ…。むしろ今までよくやってましたね…。

と言うことで、知多四国の納経所の営業時間は2021年の3~9月のみ6~18時。それ以降は通年7~17時に統一となります。

 

巡拝路の道の状態や起伏

本四国は起伏が多く、登山をすることもしばしば。知多四国のお寺は全て平地か、せいぜい丘の上くらいなので、山登りはありません。緩い起伏はそれなりにありますが、知れています。

また、本四国の遍路道には未舗装路も含まれますが、知多四国には未舗装路はほとんどありません。ルートによっては5~10分くらい未舗装路があるようですけど、その程度です。

あと知多四国の特徴と言えば、篠島・日間賀島に渡るのにフェリーに乗ることでしょうか。

乗船時間はせいぜい5~15分ですが、ちょうど全体行程の真ん中でもあるので、良い気分転換になります。

 

お接待の頻度

知多四国では、一般の方からのお接待はほぼ無いと思って良いと思います。

お寺の方からお菓子などを頂くことは、1日に1回程度ありました。

 

あと他のお遍路さんの数ですが、ちょうどCOVID-19の第三波で騒いでいる時期と言うのもあって、7日間で3組しか会いませんでした。3組とも車遍路で、歩きは一人もいませんでした。

 

総合的な印象

知多四国の歩き遍路は、仕組みや環境が「良くも悪くも洗練されていない」印象でした。

遍路道が定まっていないのもそうですし、お寺ごとに形式がバラバラなのもそう。

一方で、本四国ではしばしば「この方あきらかにぼくより徳が高いでしょう」と思うようなスーパー民間人が現れてお接待をしてくれるので、大変恐縮すると言うか、若干居心地の悪さを感じることがあるのですが、知多四国ではそんなすごい民間人は現れないので、淡々と歩くことができます。気楽なような寂しいような。

「結願おめでとうございます」なんてお寺の人ですら言ってくれませんし、全体的にとてもドライです。ちやほやされると照れてしまうぼくにとっては、注目も応援もされないと言うのは気楽でもありました

お遍路とは言っても、知多四国の歩き遍路は単純に「本四国の1/6遍路」ではありません。良い意味でも良くない意味でも、本四国と全く違った特徴を持った、完全な別物だと思いました。

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知多四国歩き遍路まとめ

本四国、知多四国ともに歩き遍路をした結果、上記の通り両者は別物で、それぞれ特徴があると思いました。

それはつまり、両方やって両方楽しめる!と言う意味でもあります。本四国を先に歩いちゃっても、知多四国もぜんぜん楽しめます!

とは言え歩くと言う行為は同じなので、いきなり本四国の歩き遍路は自信が無い方が、練習として知多四国を歩き遍路すると言うのも十分ありだと思います。

ぼくは県内の人間だし観光で来たこともあるのでひたすら歩き遍路をしましたが、初めて知多にいらっしゃる方はぜひ観光もしつつ楽しんで頂ければ良いなと思います。

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